僕が子供のころファミコンが流行った。
広辞苑に「ファミコン」がのるくらい(今でもぎりぎりのっていると思うが)流行った。しかもその頃発売されたゲームが今でも機種を変えて続いている。だからそういうゲームの話は今の生徒と共通の話題として話すことができる。そのくらいファミコンというのは影響の凄いゲームだった。
そしてその続いているゲームの中に「ドラゴンクエスト」というものがある。
これは「敵を倒して、お金を稼いで、いろんな所を苦労して冒険して・・・・」というゲームである。子どもの頃好きでやったことがあるが、時々ドラゴンクエストをやりながらこんな事を思った。
「僕はなぜ実際には一銭のお金にもならないのに、こんなに苦労して冒険して、ゲームの中でお金をためているのか?何が楽しくてこの苦労をしているのだろう?でも楽しい。なんでだ?実際に働いたほうが本当のお金になるしそっちのほうがいいのではないか?でも同じようなことをしているのにどうしてドラゴンクエストは楽しいのか?このドラゴンクエストの中で貯めたお金が本当のお金ならいいのに・・・」
小学生なのにこんな事を思った。
しかしよく考えてみよう。
「自分の好きなことが実際の仕事になった」場合、「ゲームをしながら本当のお金をもらう」と同じような感覚になるのではないか?
自分の好きなことが仕事になれば、もちろん多少の苦労、いやなこともあるだろうが、基本的には趣味のように時間も気にせず没頭しながらお金をもらって生活していくことができるのではないか?
それはつまり「適性に合った仕事に就く」ということだ。
適正とは、得意かどうかよりも、好きかどうかだ。
今の子供たちは将来なりたいものがないという。
それは考えてもわかるものではない。無理して小学生・中学生のうちから将来の夢を無理に定める必要もまったくない。
でも、「自分は何が好きか?何をしていると楽しいか?」ということは時々意識してもらいたいと思う。仕事に直接結びつかなくてもいい。
しかしそれはいつかきっと将来の夢・目標を決めるときのヒントになるからだ。
また高校生や大学生になったら必ずアルバイトを経験してほしい。(高校生は賛否両論のためお勧めというわけではありません。しかし高校を卒業し、就職という予定なのであれば大学受験のための勉強をする必要はないはずなので、アルバイトを学校が休みの間だけでも経験してほしいと思う。)
しかも数種類のアルバイトを経験してほしい。
「アルバイトを始めて嫌になってすぐやめる」これでは困るが、いろいろなアルバイトを経験してみたいという前向きな気持ちで、いくつかのアルバイトをするのは賛成だ。
また万一「嫌になり耐えられないのでやめた」ということがあったとしても、それは自分には向かない仕事がひとつわかったという点では決して悪いことではないとも思う。
そしていくつかのアルバイトを通し、実際に自分に向いている・向いていない職種というものがわかってくる。
私の場合はこうだった。
大学1年生で初めてのアルバイト「ピザの配達」を始める。頑張ってみても、すぐ道に迷子になり、地図もなかなか覚えられない。全く役立たずであった。しかし時間内にピザを届けなければならない。道に迷い、それでも間に合わせなければいけないという責任感からスクーターを飛ばし、止まっている車に激突。ものすごく店長に怒られて、土下座までした。苦しい毎日の連続であったがなんとか半年程度頑張ってみた。しかしそこで断念。道を覚えたり、配達したりする仕事は自分には難しいし好きではないと判明。ここでは仕事の厳しさ・責任感を学ぶ。お金を頂くということは学生の頃とは比べ物にならないプレッシャーがあることを学ぶ。次の仕事からは最初から責任感を持ちやっていこうと思った。
次に「健康ランドの大広間の接客」をやった。私は知らない人と話すのは苦手だと思っていたが、近くにあったのでやることにした。「お客さんから注文を受け、メモして厨房に知らせる」というのが主な仕事内容だった。私は丁寧に接客するように心がけた。すると自分と仲良くなるお客さんなどが現れ始めた。また自分のことを褒められたりもした。このアルバイトで「他人と話すのは意外と嫌いではない」ということが判明。それでも忙しい時などは注文を間違ったり、苦しいと思うことも多く、決して楽しいということはなかった。でも耐えられると思った。
次に「塾の講師」というアルバイトを選んだ。子どもに勉強を教えるアルバイトだ。これははっきり言って時間を経つのも忘れ教え続けた。給与など関係ないと思えるくらい夢中で教え続けた。1日何時間でもできた。やはり人と話す事は嫌いではない。さらに勉強を教えて分かってもらうことが楽しいことが判明。将来こういう関係の仕事ができたらと思い始めた。
その後、さらにいくつかのアルバイトを掛け持ちしながらやったりして、さらにまだ何かあるのではないかと、オーストラリアに1年間、旅にでかけ、向こうでいろいろな仕事をしながら生活してみた。
結果、私は子供に勉強を教える仕事に就きたい、という結論がでて、塾の先生となった。
おかげで一度務めた会社は嫌ですぐやめたりすることもなく、ずっと続けることができた。
転職することがあっても教師一筋でくることができた。
おかげで皆にもあえた。
全てアルバイトで自分の適性が判明したおかげである。
皆も自分は何をしている時が夢中になれるのか?それは何でもいい。考えてみてほしい。
自分の進むべき道を決めるときに絶対に参考になるはずだ。
「嫌々仕事をする」か「夢中になれる仕事に就くか」
この違いは大きすぎる。